2001年に公開された「千と千尋の神隠し」は日本だけでなく、世界中でも大ヒットした宮崎駿監督の作品だ。
この映画には『裏設定はこうだった』とか、『ラストはこうだった』とか都市伝説が数多く語られている。
そもそも『神隠し』って何なのか?
今回はこうした千と千尋の神隠しにまつわる都市伝説についてまとめてみたよ!
千と千尋の神隠し【都市伝説】風俗モチーフだった
10歳の女の子が主人公のこの作品。
まさか風俗がモチーフだったなんて信じられない話なんだけれど、作品について宮崎駿監督のインタビューでは
ハッキリとこう語っているんだよね。
▼雑誌「プレミア日本版」2001年9月号のインタビュー
「日本はすべて風俗営業みたいな社会になっている。いまの世界として描くには何がふさわしいかといえば、それは風俗営業だと思う。」と宮崎監督
え~!!これはちょっとショック!
宮崎監督は現代を一言で言い表すなら、
「あいまいになってしまった世の中。あいまいなくせに、侵食し喰い尽くそうとする世の中の縮図として設定されたのが、油屋という舞台だ。」
現代の縮図として油屋。そして、現代の問題についてもこう語っているよ。
「子供が労働することが当然である世界の現状を忘れたくなかったので、過酷な環境下で少女が労働を強いられるストーリーを執筆した。」
千と千尋の神隠し【都市伝説】油屋の名前は「湯屋」だった
「油屋」⇒「ゆや」⇒「湯屋」と連想していくと宮崎監督の言葉が当てはまる。
湯屋とは江戸時代にあった銭湯の事なんだ。
湯屋には掃除だけではなく、お客さんの背中を流したり、それ以外のサービスをする女性がいたんだよね。
この人たちの事を「湯女(ゆな)」と言うんだ。
もちろん映画で直接的な描写はないが、こうしたモチーフは良く見てみると、ところどころに描かれているんだ。
湯屋が個室に区切られている場面について宮崎駿監督は
「いかがわしいことをするためでしょう。」
と答えている。
色々な種類のお風呂があるんだな、くらいにぼやかしているけど・・・。
だが、言われてみれば確かに!
千と千尋の神隠し【都市伝説】湯婆婆、銭婆が19世紀ヨーロッパの女主人
『油屋』のおもてには昔の赤い橋、松の木が植えられ、建物は江戸時代の城のようだ。
そして、従業員の服装もたすき掛けをしたりしてまさに和装だ。
でもよく見ると、髪型、大きなイヤリングそしてロングドレス。
指には宝石、とがった赤い爪・・・
湯婆婆と銭婆の格好はまるで19世紀ヨーロッパ娼館の女主人ではないか!
様々な欲に長年付き合ってきた蓄積がこのような姿に。この姿は子どもの目線で見ると、
まさに・・・。魔女みたいに見えるんだと思う。
千と千尋の神隠し【都市伝説】名前を変える=「源氏名」か?
主人公の千尋は湯婆婆に今までの名前から『千』という名前に変えられてしまうが、
これも風俗の世界では『源氏名』と言って本名ではない名前を名乗る風習がある。
これは物語の中で重要な意味合いを持つが、こうした部分も風俗がモチーフであることがうなずける。
千と千尋の神隠し【都市伝説】ラストの続きがある
千と千尋の神隠しのラストは千尋の髪飾りがキラっと光り振り返ることなくトンネルを通って
両親の待つ車に乗り込むラストだが、もう一つ語られているラストがある。
千と千尋の神隠し【都市伝説】通常のラスト
千尋と最後に別れるシーンで、手を繋いでいた千尋の手が離れ、ハクの手だけが名残惜しく画面に残っている。
宮崎監督はこのシーンを
「これは2人の永遠の別れを表現しているんです。」と語った。
「すべてのことはルールに従わなければならない」という世界観により、
湯婆婆の言葉通り八つ裂きにされる運命をハクは受け入れているんだって。
千尋の髪飾りがキラっと光ったのも「ハクの涙」である描写なんだ。
千と千尋の神隠し【都市伝説】ラストの続きとは?
以下は劇場で見た記憶がある人からの証言をまとめてみるよ。
車の中で髪留めが違うことに気が付く千尋。何故違う髪留めなのかは分からない様子。
新居には引っ越し業者が先に到着していた。
この様子を見て「もう来ちゃっているじゃないの!」と言う母親。
「遅れられると困りますよー」と注意する引っ越し業者。
新居の周りに橋のかかった小川があることに気付き、橋から小川を眺める千尋。一瞬悟ったような表情を浮かべ、まるでこの川がハクの生まれ変わりであるかのようなラスト!
こんなラストがあったんだって。
複数の人が証言しているので、これはきっと本当の話だね。
千と千尋の神隠しは10歳の女の子が突然、世間の荒波に放り出されたとしても、
「喰い尽くされない底力」で危機を脱して成長していく姿を描いた作品だ。
ハクと千尋の物語ではないから、ハクとの関係性がラストにあると、
どうしても本筋の印象が薄れてしまうし、映画自体の長くなりすぎる。
こんな事が理由でカットしたのかもしれないね。
千と千尋の神隠し【都市伝説】他のジブリ作品キャラが登場する
千と千尋の神隠しでは作品中に他のジブリキャラが出てくることも有名だ。
千と千尋の神隠し【都市伝説】ススワタリは「まっくろくろすけ」のこと
「まっくろくろすけ」はトトロに出てくるが、サツキとメイが住む家の隣のおばあちゃんが
まっくろくろすけの事を「ススワタリ」と言っているシーンがある。
同じキャラだけど、千と千尋の神隠しで出てくるススワタリは魔法で働かされていて、
なんだかかわいそうな感じだね。
千と千尋の神隠し【都市伝説】駅には『火垂るの墓』の節子がいる?
千尋が海原電鉄で銭婆の家に向かう途中、沼原駅のホームでおかっぱ頭の女の子がいるんだ。
顔は黒くてよく分からないんだけど、この女の子は『火垂るの墓』の節子で
兄の清太を待っているという説があるんだよ。
節子は兄の清太より先に亡くなっている。
この描写が本当だったら、海原電鉄は亡くなった人が乗る電車という意味なのかもしれないね。
千と千尋の神隠し【都市伝説】ジジのクッションがある!
これはどうかなぁ??よく見ると赤い蝶ネクタイもしているしね。
ジジと狙ったのかどうかはわからないけど、ジブリファンはこうした遊びがあると楽しいよね!
ジジに見えなくもないけど。どうなんだろうね?!
千と千尋の神隠し【都市伝説】神隠しとは?
神隠しとは突然消えたかのように姿を消してしまう事。
現実の世界では、大抵さらわれてしまったり、事故にあってしまったりと悲しいことが多い。
ファンタジーの世界として、異次元を体験し現実の世界に戻ってくる物語もある。
不思議の国のアリスだって、原作のラストは「全部アリスの夢でした」ってオチになっているしね。
千と千尋の神隠しは千尋がトンネルの手前で事故にあった時の「臨死体験だった」って都市伝説があるんだ。
でも、臨死体験であればトンネルから走って出て来た様子は説明ができないし・・・。
ここは臨死体験がモチーフになっているとまでしか言えないかもね。
ただの車止めかと思っていたけど、不思議な国を見て戻ってくるとまた別の見方ができるよね。
まとめ~っ
千と千尋の神隠しの都市伝説。宮崎駿監督がコメントしている部分もあったり、
解明できずに謎のままであったりと色々だった。
物語はだた感情だけではなく、疑問を感じて思いを馳せる事も一種の楽しみ方だからね。
こうした都市伝説を楽しめるくらい「千と千尋の神隠し」は名作ってことだな。