ジョアンジルベルトの来日エピソードや愛用ギターや映画公開情報も

ジョアン・ジルベルトさん88歳。

2019年7月6日にリオ・デ・ジャネイロの自宅で亡くなったことが分かったんだ。

ボサノバのギター奏法を発明した人でボサノバの神とかボサノバの法王と異名を持つ、それはそれはスゴイ人。

今回はジョアン・ジルベルトの代表曲、エピソード、愛用ギターをまとめてみるよ!

 

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ジョアン・ジルベルトの代表曲は?

なんと言ってもこの曲!Chega de Saudade(想いあふれて)だ!

ジョアンファンは知っている人も多いと思うけど、この辺はおさらい。

 

 

ギターと歌だけで織りなす独特の世界観に魅了された人も多いはず。

そのギター奏法はじゃら~んとピックで鳴らすのではなく、指を使って弾いているんだ。

 

テンションコードを使った独特の和音(コード)が洗練された雰囲気を出していて、

親指でベース音を作り、リズムと歌で小さな炎のような躍動感を出している。

歌は抑揚をつけずに、淡々とまるで小声で大切な事を語るかのような感性。

 

良く注意して聴くと、ギターのリズムよりも歌の方が早いところで歌っているんだよ。

日本の演歌なんかは後ろに引っ張る歌い方があるけど、その真逆なんだ。

こうすることで曲に抑揚をつけずにグルーヴ感が出るんだよね。

なんだかわからないけど、なんかとっても心地よい。これがボサノバなんだ。

 

ジョアン・ジルベルトの偉業とは?

ジョアン・ジルベルトはこのギター奏法と歌を独自で作り上げた人。

だからスゴイんだよね!!

もしジョアン・ジルベルトがいなかったら・・・。

ボサノバって言葉はもちろんなかったし、

このギター奏法(バチーダ)も、もちろんこの世になかった。

音楽の歴史も違ったものになったかもしれないね。

 

ジョアン・ジルベルトのプロフィール
  • 生年月日:1931年6月10日
  • 出身地:ブラジル バイーア州ジュアゼイロ
  • 活動期間 :1950年~2008年

 

ジョアン・ジルベルトの経歴

1946年 15歳:ギターを父からもらいバンド活動に夢中に
1949年 18歳:ラジオ番組にキャストで出演
1950年 19歳:ヴォーカルグループ『ガロットス・ダ・ルア』のリードボーカルに
1952年 21歳:初のソロレコードをリリースするもヒットせず
1955年 24歳:姉の家で居候をし、ボサノバギター奏法を発明する
1957年 26歳:作曲家のアントニオ・カルロス・ジョビンと出会う
1958年 27歳:Chega de Saudade(想いあふれて)をレコーディング
1959年 28歳:初めてのLPでChega de Saudade(想いあふれて)発売
1959年 29歳:アストラッド・ジルベルトと結婚
1963年 32歳:スタン・ゲッツと共に『ゲッツ/ジルベルト』を録音
1964年 33歳:アストラッド・ジルベルト歌唱の英語版「イパネマの娘」ビルボード5位96週間チャートイン
1964年 33歳:アストラッド・ジルベルトと離婚
1965年 34歳:グラミー賞受賞
1965年 34歳:ミウーシャと結婚
1969年 38歳:メキシコへ移り2年間住む
1973年 42歳:アルバム『三月の水』を発表
1977年 46歳:アルバム『イマージュの部屋(Amoroso)』を制作
1981年 50歳:『Brasil (海の奇蹟)』を発表
2000年 69歳:『ジョアン 声とギター(João voz e violão)』を発表
2003年 72歳:日本で初公演
2003年 72歳:『ジョアン・ジルベルト・イン・トーキョー』アルバム化
2004年 73歳:2度目の日本公演
2006年 75歳:3度目の日本公演
2019年 88歳:リオ・デ・ジャネイロの自宅で死去

 

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ジョアン・ジルベルトのエピソード

ジョアンの優しい歌や優しいギターの音色を聴いていると、その人物像も優しく温和な人だと想像するよね。

エピソードの数々が結構ウケるんだ。

 

ジョアンがバチーダ奏法を編み出した場所は?

ミュージシャンとして全く売れずに、姉の家で居候生活をしていた20代前半のジョアン。

一日中こもってギターを練習していた場所はなんと「バスルーム」だった。

バスルームと言うと日本人はお風呂を想像するけれど、外国のバスルームってお風呂(シャワー)と

トイレが一緒になっているんだよね。

静かで落ち着けるところって意味でバスルームを選んだのかもしれない・・・。

 

スタン・ゲッツとの共同アルバムでの有名なジョアンエピソード

アメリカのジャズサックス奏者スタン・ゲッツはボサノバを取り入れた

自身のアルバム「ジャズ・サンバ」が大ヒット!

その後、本物のボサノバミュージシャンであるジョアン・ジルベルトと

アントニオ・カルロス・ジョビンを招き、一緒に作品を作ることに。

これが有名な「ゲッツ/ジルベルト」というアルバムだ。

 

そのレコーディングでサックスを吹きまくるゲッツに対して

「ボサノバとはそんなに音を入れるものではない!」とジョアンは激高!

 

当時、ジョアンは英語が出来なかったのでゲッツとの会話はジョビンが通訳だった。

ジョビンに対し、「あのバカをどうにかしてくれ」と言うジョアン。

ジョアンの発言はジョビンのフィルターを通し「最高の出来だ!」とゲッツに伝えたという

有名なエピソードがある。

 

ジョアンはイパネマの娘が離婚の原因に?

ジョアンにはこのアルバムでもう一つ有名なエピソードがある。

今でもボサノバと言えばこの曲を思い浮かべる人や、

いろんなミュージシャンがカバーしている事でも有名な「イパネマの娘」。

この曲はジョアンの歌唱で録音され、リリースする予定だった。

ジョアンのレコーディングに付き添っていた当時の妻、アストラッド・ジルベルトが飛び入りで

「イパネマの娘」を英語で歌ったところ、これが結構良くてアメリカでリリースするなら英語でしょ!と、

こうした商業的な判断で英語で歌ったアストラッドを採用しリリース。

ビルボードでは5位に浮上し、96週ランクインのロングヒットとなった!

一方、すぐにジョアン夫妻はすぐに離婚した。

 

ジョアンは客にも「質」を求める

あまりにも客がうるさかったり聞く態度が悪いと、ジョアンは演奏を辞めて帰ってしまうんだ。

「こんなひどい場所には二度と来ない!!」と言って舌を出して帰ってしまったことも。

 

ジョアンの遅刻は当たり前

ジョアンは約束の時間に遅れるのは当たり前の感覚なんだ。

いや、ジョアンだけではなくブラジル人は全体的に「約束の時間には遅れる」という習慣があるみたい。

ホームパーティの時間に遅れるのはむしろ礼儀のようだ。

約束の時間通りに来る客は「何故こんなに早く来た?」と主催者に言われることもある。

 

初の日本公演ではジョアンがコンサートに遅れるのはファンのみんなは知っていた事だから、

誰もそんなことで怒るような人はいなかったんだ。

開演の時間になっても一向に幕が開かないステージを前に

「ただいまアーティストはこちらの会場に向かっております」とアナウンスが流れたときも

笑いが起きるくらいだった。むしろ、「ああ、これがジョアンの遅刻ね!!」と経験ができたことに

感動するくらいだったんだよ。

 

ジョアンのコンサートは演奏のストレスを排除

コンサート会場は暑くても「のどに良くない」という理由でエアコンは切られる。

非常灯もジョアンが演奏の際に「気が散る」という理由で消されるんだ。

そしてステージに立ったまま、ジョアンが30分も動かなくなるびっくりするような事態が起きる事もある。

これもジョアンファンの間では有名な話。

 

日本公演ではこのジョアンエピソードをフルコース経験できた。

逆にジョアンファンは感激したんじゃないかな?

ジョアンは自身が全霊を込めて紡ぎだす繊細な音楽を

「聴きたい人だけ」に届けるスタイル。

こうしたジョアンの徹底ぶりを理解する客だけが、ジョアンの音楽を堪能できる資格を持つことになる。

空調や暗闇を我慢し、アーティストがステージ上で動かなくなっても固唾をのんで復活を祈るような人が、

ジョアンに選ばれた客なんだ。

 

日本のファンはみんなこの事を理解していたし、コンサート会場では騒ぐ人もいなかった。

曲が終わると割れんばかりの拍手をジョアンに送り、曲が始まると一音も聴き逃すまい!と

まるで練習したかのようにピタッとやむ拍手。そんな感じだった。

 

2003年に来日した時は「これでラスト」と思われていたけれど、

その後2004年、2006年も公演をしたジョアン。

日本のオーディエンスは素晴らしい!!とジョアンが客席に拍手を送る場面もあった。

私が長年求めて来たオーディエンスは日本にいた!と日本が大好きになった様子だったね。

 

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ジョアン・ジルベルト愛用ギターは?

ジョアンの愛用ギターは

ブラジルのギターメーカーDi Giorgio(ヂ・ジョルジオ)の

Tarrega(タヘガ)だ。

 

ボサノバを奏でるギターはクラシックギターを用いるんだけど、

普通のクラシックギターだと中間音が出ずらい。

このギターだと中間音も満足できる音色が出せるんだ。

サウンドホールが丸ではなく楕円形をしている事も特徴的。

これがボサノバの柔らかい音を奏でるのに最適だと、

愛用しているようなんだよね。

日本ではなかなか手に入らず輸入になるみたいなんだ。

 

ジョアンのギターはヘッドが黒いプロモデルなんだって。

 

ジョアンが絶賛した日本製ギターとは?

日本公演で2度目の来日をした時に、2本の新作のギターを試したジョアン。

 

ジョアンジルベルトさん
ジョアンジルベルトさん

すばらしい、2本とも気に入った、

現在使っているのより良いし弾きやすい、Congratulations!

と、絶賛して実際にコンサートでもそのギターで2曲を演奏したんだって。

ジョアンが今使っているギターより良い!なんて評価されたギターは

ヤマハのボサノヴァCG-BN1GC-71特別仕様

弦高も低めで全体の重さも軽めで弾きやすいんだよ。

 

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ジョアンファンには嬉しい映画が公開される

ジョアンが亡くなったなんて信じられない人のために。

ファンにとっては嬉しいニュースもあるんだよね!

2019年8月24日から「ジョアンジルベルトを探して」という

映画が日本で公開されるんだ。

ブラジルでは2018年6月にすでに公開された音楽ドキュメンタリーだ。

 

気になるストーリーは、2008年からジョアンは公の場に現れなくなったことがきっかけとなって、

何のツテもないのにリオを訪れてジョアンを探す旅を執筆したドイツのノンフィクション作家

マーク・フィッシャーはその本が出版される数日前に亡くなっていた。

今度はスイス人の映画監督がその本をたどってジョアンに会いに行こうとリオへ旅する。

ブラジルあるあるが大爆笑のドキュメンタリーなんだって。楽しみだね!

 

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まとめ~っ

まだジョアン・ジルベルトが亡くなったなんて信じられないよね。

ホントにスゴイ人だった。神だった!

今もしずかなところでギターを弾いているに違いないとファンとしては思ってしまうんだよね。

悲しいとか寂しいとかではなく、こんなに素晴らしい作品を残してくれてありがとう!と言いたい。